筆者は20代の頃ゲーム業界にプランナーとして入社し、現在はディレクターやプロデューサーも経験させていただいます。今回は、プランナーに必要なスキルについてお話します。
よく論争になるのが、ゲームプランナーにプログラミング知識は必要か?という問題。
結論から言うと、「プログラムできる必要はないけれど、優秀になりたいのであれば学びましょう」といった感じです。
ゲームプランナーになりたいけどプログラムができなくて…という人がいますが、転職活動時や入社時は何も分からなくて大丈夫です。
プログラミング知識はあれば円滑に業務が行えますが、絶対に必要なものではありません。
私の知っている限りでは、ゲーム業界に入るときに実務レベルでプログラミングの知識を持っているプランナーなど聞いたことがありません。
ただし、いずれ優秀なプランナーになってディレクターやプロデューサーとして活躍したいのであれば、そのときはプランナーとしての業務を重ねながら、プログラミング知識を蓄えていきましょう。
ここからは、もう少し具体的に、一体どうしてゲームプランナーにプログラミングが必要なのか、その理由を紹介します。
この記事でわかること
- プログラマーとの連携に、プログラミングの知識が必要
- 不具合対応できるようになる
- いずれディレクター / プロデューサーになるならプログラムの知識は必須
筆者はゲーム業界で働いているので、リアルな声を届けられていると思います。ぜひ最後までご一読ください。
プランナーだからこそ、プログラマーとのやりとりを円滑にするべき
プログラミングの話をする前に、大事な話を一つだけ。
ゲームプランナーにもっとも必要なスキルは、企画力よりもコミュニケーション能力です。
ただ、コミュニケーション能力が必要だと言いつつ、コミュ症のプランナーってそれなりにいるんですよね。
実際に全くしゃべれないような人はいませんが、
- なぜかエンジニアやデザイナーに対して上から目線でものを喋る
- ディレクターやプロデューサーに媚を売り、自分は仕事ができない
- 作りたいものを熱く語るだけで、他のチームメンバーが付いていけない
- 喋るのか好きなだけで、相手の気持ちを汲むことができない
こんなプランナーはザラにいます。
こういうコミュ症プランナー、仕事相手がプログラマーやデザイナーだともはや意思疎通が不可能になることもあります。
プランナーが最もやりとりする他の職種の人は、プログラマーですから、意思疎通ができないと大変です。
(デザイナーやイラストレーターともやりとりしますが、数が少ないのでここでは割愛します)
プログラマーと意思疎通ができなければ自分の企画書、仕様書の意図を汲んでもらうことができません。
料理で例えると、材料が魚しかないのに、いきなり牛肉ステーキが食べたいから作って!って言われても困りますよね。それに近いようなもので、知り合いのプログラマーに聞いたところ、それぐらい訳の分からないことを言うプランナーもいるそうで、困っているみたいです。
これではいけないので、プランナーは最低限のプログラミング知識を習得しておきましょう。
個人的には、Unityがある程度使えれば問題無いと思うので、Unityコースとかがおすすめです。
それ以外だと、自社で取り扱っているゲームエンジンの知識で大丈夫でしょう。
プランナーでも緊急時の不具合に対応できるようになる
特にこれはソーシャルゲームのアプリ(運用)で大事なことなんですが、ソシャゲは残念ながらすさまじいスピードで運営とデータ設計を行っているので、どれだけデバッグしていても不具合は起きます。
ユーザーには頭が上がらず、大変申し訳ないのですが、こればかりはどうしようもないです。
と、少し話は逸れてしまいましたが、起きてしまった不具合は、基本的にプランナーとプログラマー(システムエンジニア)が対応しているんですね。
起きてしまった原因を特定して、即時修正するのが任務ですが、この任務、プランナーがサーバーやシステムに対しての知識が無い場合、本当にプログラマーに迷惑を掛けてしまいます。
別のプランナーが不具合対応することになればそれこそ周りに迷惑を掛けるし、そして何より、不具合修正に時間が掛かるのでユーザーにとっても超迷惑なんです。
そんな無能プランナーにならないためにも、運用しているゲームのシステマティックな部分はある程度知っておく必要があります。
これは事前に勉強する必要が全くないので、プランナーとして働き始めて、少しずつ周りが見えてきた頃に意識するといいです。
ディレクターになりたいなら、プログラミング知識は必須
この記事で一番大切なことがこれ。
ディレクターやプロデューサーになりたいのなら、プログラミング知識は必須です。
例えば、プランナーを料理人、ディレクターを料理長、プロデューサーをオーナーとしましょう。
料理長は、何の料理に何の素材が必要かを料理人に伝えるためにレシピをしっかり把握しておく必要がありますよね。
そして、オーナーは料理長に対して●●●のような料理を考案してほしいと言いますよね。
そのためには、料理長と同様、もしくはそれ以上に料理の知識が必要です。
偉そうに知識もないのにアレ作れコレ作れと言うオーナーは前時代的過ぎて話になりません。
というか、今時そんなプロデューサーいても部下が付いてこないので良いゲームが作れるわけがありませんね。
そして、仕事はディレクター、プロデューサーと役職が上がっていけばいくほど難しく、忙しくなります。
プランナーもむちゃくちゃ忙しいのですが、ディレクターやプロデューサーは少し現場から遠のいてしまうので、知識を蓄える時間を取る事が難しいです。
だからこそ、プランナーであるうちに、あるいはプランナーになる前にしっかりとプログラミング知識を身につけておく必要があります。
いざ自分のコンテンツを持てるチャンスが訪れた時に、何もできません…なんて恥ずかしいことにならないよう、常日頃から少しずつ担当業務外のことも知っておきましょう。
まとめ|プランナーこそ、プログラミングができるようにしておこう
ここまで、プランナーにプログラミングの知識が必要な理由についてお話してきました。
働きながら知識を身につけるべきもの、働く前から知識を蓄えておいたほうが良いもので内容が異なりますが、いずれにせよプログラミングの知識は必要なので、今のうちに身につけておきましょう。
おすすめは、現場のプログラマーに教えてもらうか、無料のプログラミングスクールでお手軽に勉強するかのどちらかですね。
独学では時間が掛かるしモチベーション上がらず無理ゲーなので、誰かに教えてもらいましょう。