今回はゲーム業界が常に人手不足と言われている理由と、なぜ人手不足なのに未経験者にとっての転職ハードルが高いのかを考えてみました。
結論から先に言うと、人手不足の理由は3つあります。
はてな
- 「人手不足=過酷な労働環境によるもの」ではない
- ソーシャルゲームの運営だと、まだまだ会社が若いので育成制度が揃っていない
- 誰でも最初は未経験者なのに、求められるレベルが年々高くなっている
そして、それらを解決する具体的な方法は2つです。
人手不足を解消する方法
企業が未経験者に対して求めるレベルを下げる
業界を希望する未経験者のレベルを上げる
それぞれ詳しく解説していきます。
残業は多いが、そこが直接人手不足に繋がっているわけではない
いきなりぶっちゃけますが、ゲーム業界はホワイト企業がかなり少ないです。
※ここでいうブラックホワイトの基準は、世間でよく言われる残業時間の多さとします。
残業が多い=離職率が高い…というイメージがついついあるかもしれませんが、ゲーム業界に限って言えば答えはNO。
なぜなら、業界で働く人のほとんどがゲーム好きで、仕事を仕事と思ってない人が多いからです。
世間一般のホワイトとブラックの基準として残業時間が挙げられますが、残業時間でいうとゲーム系の会社はかなり多い方なので世間一般でいうところのブラックだと思います。
ただし、実際のところ朝は遅い、服装や髪型は自由、好きなものを作れる、周りにはゲーム好きばかり。
僕が今働いているのはブラック企業ですが、それは社風や働いている人が形成しているものなので、業界全体がブラックかと言われるとそうではありません。
僕は前職が金融職で、ありがたいことに定時厳守の支店に配属されていたので世間一般的にはホワイト企業で安定している会社で働くサラリーマンだと思われていました。(実際に友人たちからもそう言われていましたから)
そこでは夕方に仕事が終わるので時間的な余裕はありましたが、精神的にとにかく疲れました。
いくら早く帰れるからと言っても、朝早く会社に行って、やりたくない仕事をして、売りたくもない商品を売って、話したくもない会社の人とずっと一緒というのは、僕にとってはストレスでしかないわけです。
実際、ゲーム会社で働いている人はそういった考えの人が多く、好きなことを仕事にしたいと思って働いてる人がほとんどです。(IT系からのゲーム会社なんかではスタートが違うので、ゲームしない人も中にはいますが)
だからこそ、残業が多い=人が少ない、と安直に考えるべきではないし、実際に働いてみてそれが理由で離職している人は珍しいです。
もっと他のところに理由があると思います。(後述)
若い会社が多いため、制度も社員も未熟すぎ
コンシューマー系は比較的大手が多く、開発会社でもしっかりとした企業が多いイメージですが、ソーシャルゲームについては取り扱っている会社はほぼ全てがベンチャーです。
つまり、会社も若ければ人も若いので、育成制度が整っていません。
育成制度もOJTがほとんどで、教えるという文化がないんですね。
つまりつまり、人が育たない。
だからこそ、人数はいるけど頭数に入らない人がとにかく多い。ここが業界が人手不足と言われている理由です。
育成を怠っているので、本来レベル100の社員が10人いればいいところを、レベル10の社員を100人集めてしまっている。
そこからレベル10の社員をレベル上げしないのがゲーム会社(特にソーシャル系)の実情です。
上昇志向があり、ゲームも大好きで、将来の目標もしっかりしている人は勝手にレベル上がっていくので問題ないのですが、そうじゃない人に関しては…うん。お察しです。
ソーシャル系の会社はまだまだ働いてる人も若く、少し努力すれば昇進できることが多いですが、それって逆を言ってしまえば圧倒的に経験不足で、自分が仕事できると思っていても、世間的にはまだまだ未熟だったりするわけです。
仕事ができる人という定義がかなり曖昧なのもソーシャル系の悪いところですね。
なぜか高い正社員へのハードル
よう、ネットでは企業と就職希望者の考えにズレがあると言われています。
つまり、ゲーム好き=ゲーム作りが好き
というわけではないから不採用…というのが企業側の主張です。
これ、ハードル高すぎませんか?
例えば、とあるメーカーに未経験の営業職志望で面接したとき、志望動機を聞かれたら、多くの人は
会社の経営方針に共感したり、取り扱っている商品に魅力を語りますよね。そこで可能性を感じてもれれば採用されるわけです。
ですが、なぜかゲーム会社の面接では、
会社の経営方針に共感して、且つゲームが好きです!というだけでは間違いなく落とされるんですよね。
ゲームが好きなのとゲームを作るのは違う…って、本当にゲーム好きの発言か僕は疑わしいです。
ゲームを作ることの入り口がゲームが好きという感情なのであって、今ではUnityなんかで誰でもゲームができるから、ゲーム作りができる人じゃないと未経験者は入れません…ってちょっと会社側が求めているレベルが高すぎます。
誰でもできるっていうのはもっと手軽なことを言うべきなんですよね。
Unityを使ってゲームが作れるというのは
- 自分でゲームを作る方法を調べる
- ソフトウェアの使い方を覚える
- 必要なコードの書き方を覚える
- 作品を公開する
これを一人でやらないといけないんです。
こんなものは誰でも作れるなんて言いません。誰でも作れるではなく、無料で作ろうと思えば作れるの間違いです。
ちなみにこれ、エンジニアじゃなくてプランナーの未経験面接でも言われることがあります。
ぶっちゃけ、このレベルになるとリテラシーが異常に高い人が多いのでコミュニケーション能力に何か問題がある人も多いし、企業はもう少し採用のハードルを下げるべきです。
ただ、これは逆を言うと現状では未経験で就職するならUnityを使えると簡単に就職ができるということなので、もし未経験でプランナーやエンジニアに転職したい人はUnityをある程度触れるようになって転職活動することをオススメします。
とは言っても、ゲーム好きだけでは働けないのも事実
上でも少し触れていますが、どれだけゲームが好きであっても、好きなだけでは現状就職することは難しいです。
でも、なぜかゲーム好きの1点張りで転職しようとする人が多すぎるんですよね。。
僕のおすすめは
- (エンジニアやプランナー志望であれば)Unityの使用方法や他のゲーム制作方法を勉強する
- もっと優秀なエージェントに変更する
この2つを実践することです。
ここについては気になる人も多いと思うので、少し掘り下げてみます。
ゲームの作り方を自分で調べてみる|無料プログラミングスクール紹介あり
ちょっとネットで調べれば、ゲームの作り方なんてすぐに出てきます。
独学であれ誰かに教わるであれ、今ではやろうと思えば無料でUnityの使い方ぐらいは覚えられます。
探せば無料で教えてくれるプログラミングスクールだってありますので、これを見てドキっとした方は是非確認してみてください。
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ゲーム業界に強い転職エージェントに変更する
僕が未経験だったとき、ゲーム業界への転職を担当してくれたエージェントは、熱い人でしたが、ゲーム好きなだけでは絶対に転職できない、と冷静なジャッジをしてくれる人でもありました。
他の転職エージェントがどういう転職支援を行っているのかは分かりませんが、もしゲーム好きを積極的にアピールしましょう!だけしかアドバイスが無いのであればエージェントを変えてみることをおすすめします。
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まとめ|業界全体が未熟なので、既存の育成と未経験採用に力を入れるべき
色々と話しましたが、常に人手不足なのは育成制度が揃っていないのと未経験者の参入壁が高すぎるところが問題です。
そりゃあコンシューマーがオワコンなんて言われるわけだし、ソシャゲも全盛期当時の勢いがないわけです。
未経験者に求められるのはゲームが好きという思いだけでは就職することが難しい世界ですが、残業時間こそ多いものの好きなことを仕事にできる楽しい業界なのでもし未経験でも働きたい人は積極的にチャレンジしてみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。だいすけ(@apainidia)でした!