この記事では、「ゲーム業界に転職したい!」という方に向けて、転職活動の手順を0から100まで分かりやすく紹介しつつ、知っているだけで転職が成功しやすくなるようなポイントを徹底解説していきます。
筆者は実際にゲーム業界での転職を何度か経験していますが、いずれも応募1社目で内定を出しています。
また、未経験で業界に入った時もとある1社に狙いを定めてその企業で内定が出ているので、効率的な転職活動の方法を読者の方にお伝えできると思います。
今回は、そんな筆者の実体験も含め、転職活動の方法を紹介していきます。
転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
企業の選び方
まず、ゲーム業界を目指すと決めたら、どの企業に応募するかを決めなければいけません。
ここに応募する!と決めている人も漠然とゲーム業界を目指す人も、応募する企業があなたにとって良い企業なのかを見極めることが大切です。
ここからは、その見極めポイントを3つに絞って解説していきます。
ポイント
- 志望する企業の求人の有無
- 企業と実業務の把握
- ブラック企業かどうかを調べる
(既に志望がある場合)目指している企業が求人を出しているかどうか調べる
既に行きたい企業が決まっていたり、候補がある場合はその企業が中途採用を募集しているかを調べましょう。
ゲーム業界jは慢性的に人手不足ですし、この業界に限らず一般的な企業のHPにはリクルートの紹介があるため恐らく求人を出していない企業はありません。
ただし、会社自体が求人を出していても「自分が作りたいタイトルのチームは採用活動をしていない」といったケースはよくあります。

例えばファイナルファンタジーを作りたくてスクウェアエニックスに応募しても、ドラゴンクエストのチームしか新規メンバーを募集していない、といったことがあります。
ただ、コンテンツによっては求人を非公開にしているケースもあるため、自分が参加したいプロジェクトの求人がない場合は、転職エージェントで非公開求人がないかを確認しておきましょう。
求人の業務内容や、何を作っているかを調べる
同じ職種でも、企業によって業務内容が全く違うということがあります。
また、同企業の中でもコンテンツ単位で役割が異なるケースは多々あります。
既存コンテンツへのジョインなのか、新規コンテンツの開発なのかでも業務内容は大幅に変わることがありますので、自分が応募しようとしている求人の業務内容や、その求人でなにを作ろうとしているのか等はしっかりと把握しておかなければいけません。
ブラック企業かどうかを調べる
求職時に最も気になるのが、応募する企業がブラック企業かどうか(自分にとって快適な労働環境かどうか)ではないでしょうか。
特に実務経験がある方の同業界転職の場合は、特に労働環境を気にしている方が多い印象です。
ブラック企業かどうかを判断するかどうかは外から判断することが非常に難しいです。
しかし、
- 口コミサイトの「辞めた理由」
- 企業HP
- 求人内容
である程度判断をすることは可能です。

求人の選び方
業界の求人はどれも似たようなものばかりで選び方に悩んでいる方も多いと思います。
ここからは、求人の選び方について大切なポイントを2つ解説していきます。
実務経験で嘘を付いてはいけない
ゲーム業界の求人はほとんどが実務経験を求められます。
そもそもゲーム業界はエンターテイメント業界の一つ。職種に限らず、
- 創造力
- 知識量
- バランス感覚(制作目線 / ユーザー目線)
など、他の業界と違って求められる能力が特殊であることが特徴です。
また、当たり前のことかもしれませんが、求人に記載されている必要スキル(実務経験)は、あなたが採用された場合即戦力として取り組むことになる業務そのものを指します。
つまり、仮に嘘を吐いて採用されても全く役に立つことができない、という状態になり、すぐに退職することになる可能性が非常に高いです。
自分自身はもちろん、企業や転職エージェントなど関わる人たちが誰も得をしないことが多いため、実務経験に嘘をつくべきではありません。
スペシャリストかジェネラリストになりたいかで考える
- スペシャリスト:専門性の高く、幅が狭い業務を行う
- ジェネラリスト:専門性が浅く、幅の広い業務を行う
という前提があった場合、あなたがどうなりたいかで求人をチェックしてみてください。
スペシャリストの場合はやりたい仕事と求められるスキル(必要な実務経験)が一致する求人を、ジェネラリスト思考の場合は、求められるスキルの数が多い求人を狙ってみてください。
ただし、求められるスキルが多くなればなるほど、「いわゆる何でも屋」として過酷な労働環境を強いられるケースが多いため注意が必要です。
未経験の人が狙うべき求人は?
実務経験が求められる求人が多くみられますが、業界自体が慢性的に人手不足のため、未経験者でも業界に入ることは十分可能です。
しかし、狙うべき求人は定める必要があります。
未経験の方が狙うべき求人は、
- 未経験者募集と強く謳われている
- 採用担当者が企業の広報や採用ページでしっかりと把握できる
- 従業員数150人以上
これらが全て揃っている企業であれば、積極的に応募してみることをおすすめします。
同じ企業でも応募方法だけで採用率がアップさせる方法
同じ企業が出している同じ求人でも、応募方法を帰るだけで採用率が変わるケースがあります。
求人に応募する場合、
- 企業の採用ページから直接応募
- 転職サイトの求人から応募
- 転職エージェント経由で応募
の3つのケースを想定して、同じ求人の場合、どの方法で応募すれば採用されやすくなるのか、というのを紹介していきます。
内定が出やすい応募方法は?
前提として、よく、転職エージェント経由で求人に応募すると採用された際にエージェントに多額の報酬金が入るから、直接応募のほうがコストも抑えられて良いんじゃないか?という質問をいただきますが、これは間違いです。
原則として、内定が出やすいのは
- スキルのある経験者:企業に直接応募
- 未経験者orスキルや転職に自信の無い経験者:転職エージェント経由で応募
これが基本です。
経験者の直接応募が有効なのは、スキルの判断が実務経験で判断できるのが最大のポイントです。
逆に、未経験者の場合は企業側がスキルの判断を行うことが難しいため、企業は多額の報酬金を転職エージェントに支払ってでも「エージェントが推薦してくれる働けそうな人」を採用したほうが、採用活動や育成費などトータルでみた時にコストを抑えられるため、エージェント経由での応募が望ましいです。
いずれにせよ、転職は自信の経歴やスキルを文字にしたときに強力なインパクトあればよほど自己PRや志望動機が酷くない限り書類審査は問題なく通過します。
ただ、未経験の場合やスキルに自身が無い場合は自信の経歴やできることを文字にしたときにどうしても他の求職者に比べて通過率が落ちます。
これは仕方がないことですが、一方でスキルや意欲は文字では現しきれないことのほうが多いのも事実です。
あなたの能力が伝わらずに採用が見送られる…といった残念なことにならないためにも、転職エージェントを味方に付けて「客観的な担保」を武器に転職活動を有利に進めてみてください。
企業の状況を把握して応募方法を変える
先ほど応募方法の原則を紹介しましたが、応募する際は、企業の内情によって応募方法を柔軟に変えていく必要があります。
例えば応募先が「同業他社に採用事情を公開したくない(新規コンテンツへの注力等)」といった状況の場合は求人が出ていないため企業のリクルートページから応募すべきですし、企業が業績が好調で採用に予算を掛けている場合は「お金を掛けてしっかりと人を雇いたい」という状態なのでエージェントから応募すべきです。
こういった企業の内部情報を知るには、実際に働いている知り合いがいればその方から教えてもらうのが一番です。
もし知り合いが居ない場合は、求人を出している全ての企業の人事は転職エージェントとつながっているので、転職エージェントに状況を確認するのが良いでしょう。

履歴書に書くべき志望動機の考え方
実際に応募することになった際、もちろんですが履歴書を用意する必要があります。
ここからは、実際に履歴書に記載すべきおすすめの志望動機を経験者・未経験者それぞれのパターンで紹介していきます。
経験者が考えるべき志望動機とは?
- 採用先のコンテンツの事業展開の把握
- 展開方法で自分のスキルが活かせるポイント
- 将来的なビジョン(自分が社員になったとき、どのように働いて会社に貢献するのか)
これらを踏まえた文章を準備すると良いでしょう。
経験者の場合は履歴書よりも職務経歴書をチェックされるパターンが多く、更に優良な求人はすぐに別の求職者に取られてしまう(担当エージェントが確保する)ため、志望動機の作成はなるべく時間を掛けず比較的簡素なものでも問題ありません。

未経験者に必要な志望動機
- なぜ業界を志望しているのか
- 業界の中でもその企業でないといけない理由
- ビジョン(自分が社員になったとき、未経験でもどのような形で会社に貢献できるのか)
を中心に、比較的熱量を込めて採用担当者が「おっ」と思うような文章を作る必要があります。
未経験向けの求人は通年採用であることも多いため、スピード感よりも内容にこだわり抜いて志望動機を作成すべきです。

自己PRは何をアピールすればよいか
志望動機と同じく、自由項目のため何を記載すれば良いか悩む方も多いと思います。もしかしたら、志望動機よりも悩む方が多いかもしれません。
企業によっては「なんだこれ?」と思わせるのもテクニックですが、今回はどの企業でも共通して使える(評価されやすい)自己PRを紹介していきます。
自己PRに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
【大前提】趣味全開の自己PRでも良いのか?
自己PRの紹介の前に、覚えておいてほしいポイントがあります。それは、趣味全開の自己PRがもしあるのであれば、積極的にアピールしていってほしいということです。
というのも、実は「やっぱりゲームを作るのであれば、面白い自己PRを用意したほうが良いのかな?」という質問や問い合わせは非常に多いです。
実際、筆者も転職する際は自己PRになにを記載するべきか悩みました。しかし、後に採用担当を行った時や、実際に他の会社の採用担当者や転職エージェントに話を聞くと、いずれにしても「独創的な自己PRの場合目を引く」ということがわかっています。
そして、ゲーム業界は目を引くPRを前向きに捉える企業が非常に多いです。
言って良いのか迷っている自己PRがあるのであれば、ゲーム業界に鍵って言うと積極的に前に出して良いということを覚えておきましょう。

このポイントを踏まえて、それでも悩む方に向けてここから共通で評価されやすい自己PRを紹介していきます。
ゲームやエンタメが好きだという気持ち
最も評価されやすいのは、やはりゲームやアニメ・映画などといったエンターテイメントが好きという気持ちです。
この記事を読んでいるあなたは、おそらくゲームが好きなんだと思います。
その気持ちはゲーム業界で働く上で最も重要なポイントになります。
自己PRで大切なのは、ゲーム(エンタメ)がどれだけ好きなのか、というのを分かりやすく具体的なエピソードでアピールすることです。
自己PRは企業に向けて「あなたがどのように貢献するか」よりも「あなたを知ってもらう」という意味合いが強い項目ですので、ここはオタク心満載でも良いと思います。
- RPGからギャルゲーまで、普通の人に比べて非常に多くのゲームをプレイした(プレイしたゲームを一覧にして資料をつけると分かりやすいです)
- とあるゲームで日本ランキング5位になった経験がある
- 好きなアイドルの47都道府県開催イベント全てに足を運んだ…etc
幅広いゲームをプレイしている→ゲームの知識が豊富、一つのゲームをやり込む(ぐらい強い)→一つの物事に長期間取り組むことができる(辞めなさそう)、イベントに足を運ぶ→行動力がある、エンタメの知識が豊富…などに紐づけることができます。
こういったエピソードは具体的であればあるほど自己PRにオリジナリティが生まれて他の応募者の自己PRと差別化しやすくなるため、できるだけ一つのことに絞って具体的に紹介してみてください。
過去の仕事で活かせそうなスキル
安定しておすすめなのは、やはり過去に行った業務で培ったスキルを自己PRに直結させるパターンです。
- レベルデザインができる
- 負荷を減らすための既存データの改良ができる
- 機械のモデリングが得意…etc
企業にもよりますが、比較的古い企業はこういった落ち着いた内容の自己PRで書類通過できるケースが多い印象です。
ただ、「面白くないやつ」と一蹴されてしまう可能性もあるため、企業理念や求める人物像をしっかりと理解して、企業が必要としている能力を的確にアピールできるようにしてください。
主体性(自主性)
ゲーム会社に限らず、近年は「大きな組織の一部分になれる能力(従属性)」ではなく、「個人として活躍できる能力(主体性・自主性)」が求められています。
そのため、自己PRには主体的に業務や行動を起こすことができることをイメージさせると人事や現場からの評価は非常に高くなります。
ただ、非常に難しい問題ですが、「自分本意すぎて会社の言うことを全く聞かない」というレベルまで主体的すぎると悪影響です。
企業によっても塩梅が異なる難しい問題ですが、やはりこれも企業の理念や求める人材を把握しておくことで解決できます。
ゲーム業界の転職で必須のアイテム
ここからは、ゲーム業界で転職する際に必要な「ゲーム業界ならでは」の資料を紹介します。
もしかしたら既に知っている方もいるかもしれませんが、非常に重要なポイントなので知っている方も初めて聞いた方も目を通してみてください。
企画書を用意する
ゲーム会社に転職する場合、オリジナルの企画書を用意するのが効果的です。
特に、企画職(プランナー)での応募は経験者・未経験者どちらも必須であると言えます。
企画書を記載する内容は、
- コンセプト
- ターゲット
- 設定概要(世界観・キャラクター紹介)
- 仕様概要
- マネタイズ方法(キャッシュポイント)
を分かりやすく記載しましょう。
その際、できるだけ視覚的な情報のみ(あまり文字を使わない)にすることを心掛けてみてください。
ファイル形式はpptx(PowerPoint)で提出し、必要であればpdf形式に書き出しておくと問題ないでしょう。
ポートフォリオを用意する
専門職の場合は自信のスキルの証明にポートフォリオ(作品)が必要不可欠です。
特にグラフィック職種の場合はポートフォリオの内容だけでなく全体構成のセンスが問われるケースも多々あります。(新卒採用で重要視されます)
ポートフォリオを作成する場合、
- 求められているジャンル
- 自分の得意なジャンル
がそれぞれしっかりと伝わるレベルが望ましいです。
転職活動に割ける時間が限られている人は(活用できそうであれば)既存の作品を流用しても構いません。
また、ポートフォリオを簡単に作成できるサービスもあるので、そちらを活用してみるのも手です。
エンジニア職の場合は作品の他に実際のコードをチェックされるケースもあるため、各企業において想定される「提出資料」を事前に準備しておきましょう。
ゲーム業界の面接で重要視されるポイントとは?
ここまで、ゲーム業界で転職活動を行うにあたって知っておくべきポイントを紹介してきました。
企業を選び、書類を応募し、最後に待っているのは面接です。
ここからは、そんな面接に挑むために知っておきたい情報や、どういったことを気をつけなければいけないかを紹介していきます。
ゲーム会社の面接回数は?
面接回数は企業によって様々ですが、基本的には3回であることが多く、内訳は以下の通りです。
- 人事との面接
- 現場との面接
- 役員との面接

容姿には気を付けるべき(清潔感)
ゲーム業界に限らず、あらゆる業界で転職活動を行うのであれば身なりは採用に重要な影響を与えます。
ゲーム業界は時間も他の業界に比べて不規則で更に私服勤務なので、実際に働いている人は他の業界に比べて容姿を気にしない人が多いです。
しかし、それでも転職活動時には最低限のマナーとして容姿には気を使います。
清潔感が出るように意識しつつ、絶対に不快感を与えるような状態で面接にはいかないようにしましょう。

質問にきちんと答えているか
先ほどは身なりについてのお話しでしたが、実際に面接でみられるのは外見でなく内面です。
内面を見られるためには、面接官ときちんと「対話」しなければいけません。
面接は、質問を想定して予め用意した回答を100%間違えずに答えるゲームではなく、聞かれた質問にしっかりと答えてあなたの内面を見てもらう儀式です。
筆者も実際に面接官として面接を行ったことがありますが、応募者のなかには緊張して頭が真っ白になり、対話に答えられないという方もいます。
一般的に、仮に緊張しているだけなのであれば、面接官はできるだけ緊張を解こうとしてくれるはずですが、明らかに対話できていない場合は終了させることが多いです。

用意した回答を喋ることも大切ですが、それ以上に面接官が何を聞いているのか、を理解してしっかりと答えていきましょう。

まとめ
転職活動の方法は人それぞれですが、今回は共通して大切な部分を紹介してきました。
それぞれの項目で大切なことを記載しているので、いつでも読み返せるようにスクリーンショットを保存したり、このページをブックマークしておくのがおすすめです。
また、このサイトではゲーム業界の転職を有利に進めることができる様々な情報を紹介しています。
ゲーム業界で働いている筆者がリアルをお届けしているので、気になる方は他のページもぜひチェックしてみてください。