ゲーム業界で働きたいけれど、激務という噂をよく聞く。実際はどうなんだろう?
という方は多いと思います。
筆者は実際にゲーム業界で働いているのですが、激務かどうかで言うと、激務です。
実際、他の業界で働く友人や知り合いに仕事の話をすると、驚かれることを通り越して呆れられることが多い程に激務だった時期もありました。
この記事では、ゲーム業界がどれほど激務なのか、激務なのにどうして人気の職業なのか、という点を解説していきます。
実際に働く生の声が知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
ゲーム業界、どれぐらい激務なの?
噂は聞くけれど、実際にゲーム業界はどれぐらい激務なのか。
これは会社によります。同じ職種(肩書き)でも業務内容が異なる場合が多く、例えばゲームプランナー は全てがブラックだ!とは断言できません。
しかし、筆者が実際に体験した激務レベルは相当なものだと思います。
激務体験
- 朝の5時まで仕事をして、シャワーを浴びに帰宅、その後すぐに会社に戻る生活が1ヶ月以上続く
- 3人が6時間掛けてようやく終わる仕事を1人で3時間以内に終わらせるよう言われる
- 12時間キャラクターボイスの収録を行なった後、会社に戻り自分の業務を始める
- 休日は一人で作業に集中できるチャンスだと思って会社に行くと、みんな居る
- 土日も常に業務連絡が鳴り続ける
上記は全て実際に筆者が体験した業務です。
どういった職種や会社が激務なのか、を一つずつ紹介していきます。
会社や業務内容によるので一概に言えない
先ほども紹介した通り、ゲーム業界は会社によって業務内容が大幅に異なります。
同じ職種や業種でも業務内容が違うため、例えばエンジニア=ブラック、プランナー=社畜…とは一概に言えません。
しかし、これは逆を言うと同じゲームプランナー でも他の誰もが羨むようなホワイトな働き方ができている会社も存在する、ということです。
実際、筆者の知り合いでも同じ肩書きで転職したにも関わらず、労働時間は大幅に減り、年収は増えて快適な生活を送っている人も大勢います。
つまり、大切なのは業界全体を激務が当然なもの、と捉えるのではなく、企業ごとに状況は異なるので、転職や就職をする際は激務かどうかを用心深く見極める必要がある…ということです。
激務であることが多い職種・業種とは?
どの会社でも恐らく激務であることが予想される職種や業種があります。
具体的には、
激務になりがちな業種・職種
- ソーシャルゲーム運営
- デベロッパー(開発会社)
- その他下請け
例外は勿論あるので、あくまで参考程度に留めてもらえると幸いです。
ゲーム業界は縦社会ですので、下に行けば行くほど労働環境は悪くなります。
コンシューマーでいうと、
- パブリッシャー
- デベロッパー
- 素材制作下請け
- 更に下請け
となり、上から下に行けば行くほど労働環境が悪くなります。
ソーシャルゲームの場合は
- パブリッシャー(IP元)
- 開発会社(IP元と同じ場合ことも多い)
- 運営会社
- 素材制作会社
となります。自身が目指そうとしている場所がどこに該当するのか、を一度確認して、序列が下の場合は「本当にその企業は大丈夫なのか」を検討してみてください。
ゲーム業界で働くときのデメリットとは
ここまで、ゲーム業界は激務であることが多いと紹介してきました。
労働環境は昔に比べてかなり改善されていますが、まだまだ激務という噂が絶えない企業もあります。
ゲーム業界が激務かどうか気になっている人は、他にもゲーム業界はなにか辛い部分があるのではないか?とも思っているのではないでしょうか。
ここからは、激務であることと同時に、ゲーム業界で働くときに辛い部分を紹介していきます。
自分の作りたいものが作れるとは限らない
自分が思っている面白いものを作り、それがヒットタイトルになれば最高!と考える人は多いと思います。
ですが、実際にゲーム業界で働くと自分が作りたいと思っているものが作れるとは限りません。
特に業界に入ったばかりの頃は庶務や雑用周りを任されることも多く、裁量が与えられるまでは自分の考えがゲームに実装されるのが難しいこともあります。
裁量が増えれば増えるほど自分が作りたいものを作れる機会は増えますが、実際に売れているものは何か、今話題のものは何か、過去の社内データなどしっかりと裏付けされた面白さを企画しなければ自分の上司や会社の上層部は納得してくれません。
つまり、「自分の作りたいもの」ではなく、「売れるものを作る」のがゲーム業界…いったほうが正しいのかもしれません。

仕事と私生活の区別が付かなくなる
ゲーム業界で働いている人にはゲームが好きな人が多いです。
ゲームが好きな人がゲームを仕事にすると、仕事で考えるゲームと私生活で考えるゲームの区別が付かなくなり、本来分けるべき個人的な趣味とビジネス的な考えが混合してしまいます。
仕事で自分の趣味趣向を存分に主張する人も大勢います。
しかし、それが本当に仕事としてゲームを作ることに直結するかどうかは考えなければいけません。これが意外と辛いのです。
本来好きなゲームの自分の考えを仕事に100%当てはめることができないので、例えば「これは面白いと思う!」と提案した企画が「確かに面白いが需要がない」と否定されるのは、なんとも言えない辛さや悔しさがあります。

ゲームを純粋に楽しめなくなる
今までユーザーとして遊んできたゲーム。実際にゲーム業界で働くことになると「遊び手」から「作り手」に変わります。
この結果、今までとは違ってゲームの裏側が見えてくるようになります。
裏側が見えるとエンターテイメントではなくビジネス商品のように思うことも増え、純粋に楽しむことができなくなる可能性があります。
- ここは開発リソースの都合でカットされている
- 人手が足りなかったんだろう
- このテクスチャ、見たことあるぞ
…などなど。
自分が扱うゲームとは全く違うジャンルのゲームだと良いのですが、同ジャンルのゲームだとゲームの内容が全く入ってこず、自分が作るゲームに活かせるシステムが何かないか…といったいわゆる職業病などに陥ってしまうことも。。
ゲーム業界で働くときのメリットとは
この記事では今までゲーム業界が激務である紹介の上に、他に辛い部分は一体どういったところなのか、を紹介してきたので、楽しい部分が全く分からない…という方のほうが多いと思います。
ですが、ゲーム業界は非常に人気のある業界。一度業界に入ると会社は転職すれどずっと同じ業界にいる人も非常に大勢います。
それには、やはりゲーム業界の楽しさが影響しているのでしょう。筆者も実際に働いていると、激務だけど楽しいから続けられる、と思うことが多いです。
実際にどういった楽しさがあるのかを紹介していきます。
好きなことをしていると給料が貰える
先ほど仕事と趣味が同じになってしまう辛さを紹介しましたが、それでも「好きなことをしていると給料が貰える」というのは働いていてとても楽しいと感じます。
筆者はゲーム業界とは全く関係のない異業種からゲーム業界に転職してきたのですが、転職する前はスーツを着て営業をしていたため、「好きでもないけどとりあえず働く」といった状況でした。
自分はこの働き方が全く合わず、自分の興味があることしか続かない性格だったこともあり、やはり好きなことが仕事になるゲーム作り、というのは自分に限らずゲーム好きにとっては天職だと思いました。
良くも悪くも色々とゆるい
これは良い部分でもあり、改善していくべき部分でもあると日々痛感しているのですが、様々なことが一般的な働き方に比べるとゆるくなります。
ゲーム業界はほぼほぼが私服勤務で、しかも髪型や髪色も自由です。出勤時間も他の業界に比べると融通が効くことが多く、特にソーシャルゲーム系の新しい会社はリモートワークが普及する前からリモート勤務の体制が整っている会社も多かった印象です。
スーツを着るのが嫌、朝起きるのが苦手、会社に行かずに家で働けるのであれば家で働きたい、という人にとってゲーム業界はとても働きやすい環境です。
経験を詰めば大手で働ける可能性が他の業界に比べて高い
学歴よりも経験やスキルが優遇される業界なので、経験さえあれば誰でも大手で働ける可能性がある、というのも働いている上でモチベーションになります。
「いつか自分もあの超有名企業で働けるのでは」という考えを持ちながら働けるのは、とてもワクワクするものです。
他の業界だと出身校や職歴・転職回数などが非常にシビアに見られる傾向がありますが、ゲーム業界はそれよりもパーソナルな部分に焦点が当てられることが殆どです。
そのせいか、業界の中で「転職=よくあること」という考えが広まっており、他の業界に比べると働く人の転職回数が多い傾向があります。
個人的には、頻繁に業務を変えるとそもそもスキルや経験が身に付かないという問題もあるためできるだけ一つの会社に腰を据えるべきだとは思いますが、他の業界に比べるとこういった保険的な要素を持ちつつ働けるのもゲーム業界の良い部分だと言えます。
まとめ|ゲーム業界は激務だが、好きなことで働けるというのは魅力的
今回は、ゲーム業界は激務なのか?といった点と、具体的にどういった部分が激務なのか、ゲーム業界で働く上での辛い部分、楽しい部分を紹介してきました。
結論は、ゲーム業界は激務であることが多いですが、一概には言えず、企業によって激務なのか、それともホワイトなのかは大きく異なるということです。
また激務であっても好きなことを仕事にできるという点で、ゲーム業界はゲームが好きな人にとっては非常に魅力的な業界だと思うので、気になる方は是非「業界にはどういった会社があるのか?」や「実際にどんな働き方があるのか」をチェックしてみてください。