ゲーム業界

【2021年】ゲーム業界の動向は?現状の問題と今後の課題を徹底解説!

2021年現在、2020年冬から世界中に拡がった新型コロナウィルスの影響でゲーム業界は大きな影響を受けました。

その影響は今なお強く残っており、2020年〜今現在、ゲーム業界は変革のときを迎えています。

この記事は、実際にゲーム業界で働く筆者がゲーム業界の今後の動向や課題などを分かりやすく解説していきます。

ゲーム業界に興味のある方、ゲーム業界への転職を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

 

これまでのゲーム業界の市場について

2020年までのゲーム業界の市場は、90年代にコンシューマー機の爆発的なヒットを起こし、00年代後半〜10年代前半まではソーシャルゲーム市場が爆発的な拡大を見せました。

2020年に入った今、ゲーム業界は全体を通してどういった市場になっているのでしょうかを簡単に紹介していきます。

コンシューマー・ソーシャルがそれぞれの立ち位置を獲得

ソーシャルゲームの台頭により一時期はコンシューマー市場の勢いが減り、実際に働いている中でもコンシューマーのパブリッシャーはこぞって既存のIPを活用してソーシャルゲームを運用し始めました。その結果、新規タイトルの開発リソースが削られてコンシューマータイトルで新しいヒットタイトルが出づらい状況でした。

しかし、現在は在宅によるコンシューマーゲーム需要が非常に高くなっており、Switchの爆発的な普及によってコンシューマー市場も息を吹き返しました。

元々ソーシャルゲームはゲーム性がそこまで高くなく、ガチャによる昂揚感がゲームプレイのモチベーションになる人が多かった分、”本来のゲームの楽しさ”(遊びこむために作り込まれたゲームシステム)を再認識したユーザーが多く、コンシューマー・ソーシャルがそれぞれの良さを活かしてかつてよりも競合しない、それぞれの市場を持つ状況になっています。

アーケード事業の縮小

自粛の影響もあり、元より縮小傾向にあったアーケードゲーム事業はかなり苦しい印象です。

個人的には、20年11月にSEGAがゲームセンター事業からの撤退を発表したことも記憶に新しいです。

自粛による外出を控えなければいけない、人との距離を空けなければいけないという現在の状況でゲームセンターの運営そのものが非常に苦しくなっています。

また、元よりハイスペックなゲームを楽しめるのも大きな魅力でしたが、ディシディアファイナルファンタジーや鉄拳など、コンシューマーやPCで広く展開がされているタイトルや、beatmaniaⅡDXをはじめとした音楽シミュレーションゲームの一部はタイトルはPCでサブスクリプション形式のゲームサービスを開始しています。

アーケードと同じプレイ感を味わえる専用コントローラーを受注限定販売する等、各社はゲームセンターにユーザーを向かわせるための方向ではなく、家でアーケードゲームを遊べるように事業を行っている状況です。

新型コロナウィルスによる影響

新型コロナウィルスによる影響を爆発的に受けたゲーム市場ですが、実際、具体的にはどのような影響を受けているのでしょうか。

ポイント

  • Nintendo Switchの爆発的な普及
  • ゲーム需要の高まり
  • 配信による人気ゲームの多極化
  • ゲームの在り方の変化

それぞれ紹介していきます。

Nintendo Switchの爆発的な普及

19年の秋〜冬頃より元より品薄となっていたNintendo Switchですが、20年の自粛がスタートした3月頃からはより一層品薄となりました。

また、20年3月20日に発売した『あつまれ どうぶつの森』が箱庭ゲーム(ゴールの無いプレイ時間が必要となるゲーム)であったこと、元から待望の人気タイトルの新作だったということもあり、自粛との相性の良さから爆発的なヒット作品となり、Switchがコンシューマーのハードとして広く普及しました。

20年度の任天堂の決算によると、累計3263本も売れたようですね。すごい。。
筆者

自粛でゲームの需要が高まっている

ジャンルに限らず、自粛でゲームそのものの需要が高くなっている状況です。

アーケード周りは苦しい傾向にありますが、コンシューマー・ソーシャル・PCゲームなど在宅で遊ぶことができるゲームはいずれも需要が高まっています。

Nintendo Switchは21年2月現在累計販売台数は7987台となり、3DSを越えているという爆発的な需要の高さです。

Playstationは5の発売がありましたが、本体の基盤製造が世界的に追いついておらずに需要の高さと供給が追いついていない状況。

以外と伸びているのはゲーミングPCのメーカーで、世界的に見るとゲーミングデスクトップ・ゲーミングノート・ディスプレイの合計は4960万台に到達しています。

新型コロナの影響で拡大するゲーミングパソコン市場、2024年までにさらに25%増の予測

引用元:PC watch

タイトルの開発は国内で行えていませんが、PCそのものは日本でもドスパラ(ガレリア)やパソコン工房(LEVEL∞)などのブランドが発売に力を入れている状況です。

配信コンテンツの普及による人気ゲームの多極化

ここ数年はモンスターハンターなどの協力プレイができるゲームが販売本数を伸ばすようになっていましたが、元より日本はJRPGを始めとした「家でじっくりやるゲーム」の販売本数が伸びる傾向にありました。

しかし、自粛による影響でオンラインプレイができるゲームが普及し、更に配信コンテンツが普及していることから「誰かと一緒に遊べる」ゲームジャンルが広く認知され、今までニッチジャンルであったFPSが確固たる地位を確立するなど、人気ジャンルが多極化している状況です。

ゲームが娯楽から人との繋がりに変化

国内外問わず、今まではゲームそのものは娯楽として取り扱われてきた印象が強かったのですが、自粛の影響で元からの娯楽としてのゲームよりも、人との繋がりのためのゲームという意味合いが強くなりました。

先ほど配信コンテンツが普及したことも挙げられますが「誰かと一緒に遊ぶ」というジャンルのゲームが拡がったことにより、ゲームそのものがコミュニケーションツールの一つとして成り立っている状況です。

コンシューマーゲーム業界の動向は?

需要の高い状態が続いているので、ゲーム業界の今後は明るいと思います。

今後はNintendo Switchの一強となって、どこまで普及するのかにほぼ全てが掛かっていると思って良いでしょう。

Playstation5のハードウェアの普及はしばらく時間が掛かることと、Xbox Series Xはそのものが日本で認知がない状況なので国内での普及は厳しい状況。

 

注目されるe-Sports業界

コンシューマーやソーシャルとは少し立ち位置が異なりますが、w-Sports業界も非常に先行きが明るいと思います。

株式会社KADOKAWA Game Linkageの「グローバルeスポーツマーケットレポート2020」では、20年の市場規模は約9億7390万ドル(前年比1.7%上昇)と発表されており、更に23年には15億9820万ドルに達すと見込まれています。

 

同社による調査では、eスポーツの収入源の内訳で最も伸びているのはデジタル・ストリーミングでの収入で、ストリーミングは前年比44.9%という驚異的な伸びを見せていました。

21年現在、ストリーミング(配信)文化はゲーム業界では斬っても切り離せないようなコンテンツになっています。

ユーザー側はマネタイズとして、メーカー側はプロモーション方式として強くストリーミングを意識する状況です。

 

日本やアジアではプロゲーミングチームが「競技部門」「ストリーマー部門」の二つを作り、前者はe-Sportとしての発展を、後者はストリーマー本人を始めタイトルやチームのプロモーションを行うスタイルが普及しています。

海外ではe-Sports選手そのものが人気になるパターンもありますが、日本ではあまりその傾向は見られませんね
筆者

いずれにせよ、e-Sports業界そのものが市場の拡大に尽力しているため、今後の動向に期待できるものと思われます。

 

ソーシャルゲーム業界

一時期はソーシャルゲームバブルでコンシューマーゲームの勢いを凌ぐ勢いを見せていたソーシャルゲームですが、世の中のソシャゲバブルの空気は薄れています。

しかし、売り上げだけを見ると日本国内はコンシューマーよりもソーシャルゲームのほうが規模が大きく、年々市場は大きくなっていっていることから、ソーシャルゲームが無くなるようなことはないと思われます。

唯一あるとすれば、ソーシャルゲームはコンシューマーゲームと同じような歴史を歩んできており、

  1. 革新的なヒットタイトルが生まれる
  2. ヒットタイトルに酷似したタイトル(企業)が乱立する
  3. 撤退する企業が増える中、レッドオーシャンに勝ち残る企業が生まれる
  4. 勝ち残った企業の開発力・資金がある会社による独占市場となる

という状況が生まれています。

そして次に来るフェーズは、独占市場と新規参入(インディーズタイトル)の二極化が進んだ状態であると予想されていますが、コンシューマーやPCゲームはインディーズ(個人)でのタイトルローンチが比較的容易であった反面、ソーシャルゲームはAppleという大きなプラットフォームがあるため、Appleが経済力のない個人勢・新規企業勢が如何にローンチしやすい環境を容易できるか、が課題になるでしょう。

Android(Google Play)に近いレベルまで参入障壁が下がると良いのですが…
筆者

クラウドゲームやサブスクリプション型は普及する?

Microsoft社によるxCloudを始めとしたクラウド型ゲームが19年以降話題になることがありました。

クラウドゲームとは、タブレット端末を使ってストリーミングプレイできるサービスのことです
筆者

クラウドゲームはデビルメイクライ5や鉄拳7などといった国内外問わない人気タイトルがプレイできることや、GoogleやAmazonといった世界的な大企業が参入していることなどから、注目されています。

また、サブスクリプション型(定額制)サービスも同様にAppleやAndroidで始まった、月額制のフリープレイサービスです。

 

サブスクリプションやクラウドはゲーム業界に限らず一般的になってきた課金スタイルですが、動画やアニメなどの自分が何もせずとも娯楽を楽しめる「受動コンテンツ」と違ってゲームは自分が興味を持ち、実際にプレイしないと娯楽として楽しめない能動コンテンツであると言えるため、普及するにはもう少し時間が掛かりそうです。

アニメや映画は一度再生ボタンを押せばぼーっと見れますが、ゲームは起動ボタンを押しただけでは楽しめないですから、一覧からなんとなく暇つぶしを選ぶサブスクとは相性が悪いかもしれません
筆者

日本のゲーム業界の課題

これまで国内外問わずにゲーム業界の動向について紹介してきました。

外出できない自粛ムードでライフスタイルが大きく変化したことに伴いゲームを取り巻く環境も大きく変貌を遂げましたが、日本のゲーム業界は急速な変化に追いついていない状況であると言えます。

ここからは、そんな日本のゲーム業界の課題と、今後どうしていくべきか、を考察していこうと思います。

コロナ禍への対応

開発していくゲームタイトルの変化、ユーザーとメーカーとの向き合い方、実際にゲームを作るゲーム会社での働き方など、様々なものがコロナ禍の影響を受け、柔軟に変化する必要があります。

例えば、音楽業界には今まではあり得なかった無観客ライブという、最も分かりやすい柔軟に変化した良い例であると言えます。また、芸能人がメディアへの露出を控え、需要の高まりと共に自身の発信力を持つためにYouTubeチャンネルを開設するケースも増えています。

ゲーム業界は広い括りで言うとIT業界に括られることもありますが、実態はその名には相応しくないほど古い風習や考え方が根付いている業界です。

特に老舗メーカーはITというよりもメーカー上がりの企業が多く、コンシューマータイトルを取り扱うメーカーはその傾向が強い印象です。

日本のゲーム業界は、そういった老舗メーカーも含め、如何にこのオンラインでの生活に柔軟に対応できるゲームタイトルやプロモーションを展開できるか、といったところに課題があると言えます。

ソフトウェアメーカーのリソース増加

今最も業界で問題視されているものの一つに、開発のリソース不足、という問題があります。

これはリモートワークの普及が生んだ副産物でもあります。

  • リモートで従来の開発スピードが出ない
  • あらゆる決済が通りにくい状況になっている
  • 業界で働く開発人材不足

これらが原因で、開発タイトルの発売や内容に大きな影響が出ています。

コンシューマータイトルは発売日が後ろ倒しになり、オンライン系のタイトルは軒並みイベントやアップデートが遅れている状況です。これは国内のみならず、海外でも同様の問題が起きています。

いずれもこの問題が起きているのは、ソフトウェアメーカーであることが多いというポイントにも注意が必要です。

SONYや任天堂といったハードウェアメーカーはゲーム業界を牽引する業界最大手で、働き方も非常に柔軟性を持っています。

自社開発ができる、という強みもあるため、他のソフトウェアメーカーに比べると求められるレベルは高いものの、無理難題を強いられているわけではないでしょう。

海外市場への展開

日本では剣と魔法の世界のゲームが求められますが、海外だとリアルな人間の感情を描いたゲームが求めらます。

市場規模(ユーザー数)を見た時、どちらを発売すれば売れるのかは明確ですね。

分かりやすく言うと、JRPGよりもデトロイトビカムヒューマンのようなタイトルのほうが世界的に見て需要があるのです。

こういった点から、日本と海外では求められるものが大きく異なるため、日本は今後海外を意識したコンテンツ展開をしていく必要があります。

 

また、ゲーム業界そのものが一定の成熟を見せた今、開発力・資金力の問題でクオリティ勝負ができないため差別化をしていく必要性もあります。

アニメや漫画の制作技術は日本が世界の中でも秀でているため日本の独占市場となっており、まだこの現象は起きていません
筆者

 

現在の自粛の状況は、外にでることができない、という問題が起きたと同時に「アナログでなければできない、と言われていたことがリモートでできることが証明された」とも言えます。

今まで海外展開を軽視していた日本のゲーム業界ですが、あらゆるものがオンライン化した今、海外展開が難しいと言われていた日本タイトルの海外展開はより一層強めていく必要があります。

働き方の更なる健全化

筆者自身や周りの人間を見ていると、ゲーム業界で実際に働く人たちは、ワークライフバランスが崩れている人が非常に多い印象を受けます。

これは「ゲームが好きで、そのゲームを作れるのだからあまり仕事のように思えない」ということもあります。

実際に働いていると、会議ではブレストなどで「僕が考えた最強の魔法」みたいなものを意見し合うこともありますし、最近売れているゲームがなぜ売れているのか、あのゲームはここが面白い、など趣味の延長線上にあるような話が仕事の会話になることも多いため、仕方がない部分ではあります。

 

そういった業務内容が影響し、従来のゲーム業界は勤務時間が異様に長くなる傾向がありました。

しかし、リモートワークが普及した今、強制的に働き方が健全になりつつあるのです。長時間労働によってブラック企業と呼ばれているゲームメーカーの労働時間がホワイト化した話は業界で働いていると自然と耳に入ってきます。

 

元々ゲーム業界が人材不足に悩まされいたのは、特殊なスキルが求められる働き方であるという以上に、無茶な働き方をし続けた優秀な人材たちが去っていったという問題も大きいのです。

働き方の強制的な健全化は、この問題を防ぐことができると言えます。

加えて、働き方を健全化することで、業界全体の風通しはよくなり、新しい人材が入ってきやすいという良い状況にもなります。

まだまだ変革の途中ではありますが、こういった変化にうまく順応していくことが求められます。

まとめ

今回は、ゲーム業界の今後の動向と日本のゲーム業界が抱える課題、今後どうしていくのか、を紹介してきました。

数字的なデータは間違いないのですが、考え方や価値観の部分は、「業界全体がこの考えを持っている」、というよりも「業界で働くただの一般人の考察」程度に捉えてもらえると幸いです。

 

ゲーム業界について他にも知りたい方や、ゲーム業界への転職を検討している人に情報を発信しています。

よければ他の記事も参考にしてもらえると幸いです。

日本のゲーム業界の未来が明るくなるよう、みんなでこの世界的な問題を乗り越えていきましょう。

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