今回は、「30代でゲーム業界に入りたいけど可能だろうか?」と考えている方に向けて、実際働くことは可能なのか、そしてどうすればゲーム業界に入ることができるのかを詳しく解説していきます。
筆者は実際にゲーム業界で働いていて、現場の人間として30代の方を採用した経験もあります。
その経験も踏まえ、業界のリアルな話をお伝えしていければと思います。
30代で未経験だけどゲーム業界で働きたいという方はぜひ参考にしてみてください。
【実例アリ】30代未経験でゲーム業界への転職は可能
結論から言うと、可能です。
しかし、20代の未経験者よりも30代の未経験者のほうが転職の難易度は上がると考えてください。

私は30代未経験でゲーム業界に入った人を何人か知っていますが、全員
ゲーム制作のスキルは無いがマネジメント能力が高い
という共通点がありました。
私が所属するチームのマネージャーとして、異業種から業界に転職してきた方も30代でした。実際にその方とは仲良くさせてもらっていたので、どのように転職したか、というのも教えていただきました。
そういった情報も含め、ここからは具体的に30代未経験でも転職する方法を紹介していきます。
30代がゲーム業界で求められるスキルとは
ゲーム業界は個々の能力が求められます。経験者であれば、年は関係ありません。タイトルによっては20代がチームリーダーになったり、ディレクターやプロデューサーになることも珍しくありません。
しかし、未経験となると少し状況が変わって来ます。
未経験者は実務スキルが無いため、それぞれ求められる能力があります。
20代では熱意や学生時代に何かを継続したエピソードが求められますが、30代では
- マネジメントスキル
- 別業界で培った経験や知識
が必要です。それぞれ詳しく紹介していきます。
マネジメントスキル
マネジメント能力がある人間は経験者未経験者問わず重宝されます。
過去に誰かをマネジメントした経験が無い方は、少しでもその能力をアピールできるように自己PRや志望動機を工夫してみてください。
別業界での経験や知識【人による】
これは人によりますが、親和性の高い業界にいた経験がある場合、そこで培った経験や知識が求められる場合があります。
親和性のある業界は
- モーションアクト
- 企画職
- マーケティング
- 映像制作
- 音響関連
などです。
ただ、こういった業界で働いている人はそもそも母数が少ないので、おそらく未経験者でゲーム業界に入りたいと考えている人で上記で紹介した業界で働いている方は少ないと思います。
全く関係の無い業界で働いていた場合でも、どういった業務をしていたのかによってアピールできるポイントがいくつもある可能性があります。
自分の経歴の棚卸しをしっかりと行うことが、未経験でも30代でゲーム業界に転職するポイントです。
どうすれば未経験でも30代で転職できるのか?
ここまで、30代が求められている能力を紹介してきました。
ここからは、実際にどうすれば未経験でも30代で転職できるのか、を紹介していきます。
デベロッパー・ソーシャルゲーム会社を狙う
パブリッシャー、いわゆる任天堂やSEGA、CAPCOMなどの大手ゲーム会社に未経験で入ることはおそらく不可能です。
ただし、デベロッパー(開発会社)やソーシャルゲームを開発・運営している企業であれば慢性的な人材不足のため、入社することができるはずです。
特にソーシャル関連の会社は平均年齢も非常に若く、30代でマネジメントができる人間であれば需要が高いと考えて良いでしょう。
マネジメント能力をアピールする
転職の際、マネジメント能力をアピールすることが未経験で転職を成功させる近道です。
実務経験の有無に関わらず、マネジメントができるとアピールするだけでタイミングよく転職してくる30代の方もいます。
そういった方は、ゲームを作りたい!という強い思いを前面に押し出すよりも、企業が求めている能力を適切にアピールして入社してきています。
ですので、求人を出している企業、あなたが応募したいと考えている企業がどういった人材を求めているのかをしっかりと理解する必要があります。
熱意を正しく伝える
30代未経験で業界に入る為にはマネジメント能力が必要だと紹介してきましたが、根本には熱意があることをしっかりとアピールすることも重要です。
ゲーム業界はゲームが好きな人が長く働く業界で、逆にゲームが苦手な人は長続きしません。
20代で未経験状態で転職する際は、正直に言うと熱意だけでなんとかなります。
しかし、30代では熱意に加えてここまで紹介してきたスキルが求められるということを念頭に置いておきましょう。
未経験に強い転職エージェントを利用する
これが最も重要なポイントです。
未経験でゲーム業界に転職する際は、
- ゲーム業界で働いている人からの紹介
- 転職エージェントの利用
のどちらかが必須となります。特に30代ではその傾向が顕著に出ます。
(残念ですが、転職サイトの求人や企業に直接応募しても書類審査で落とされてしまいます)
知り合いがゲーム業界に働いているなら、その会社で雇ってもらえないか相談してみるのも良いです。

とは言いつつも、やはり業界の中に知り合いがいない方が殆どのはずです。
そんなときは転職エージェントを利用し、エージェントから第三者目線で応募先に「企業はあなたを採用すべき」という紹介をしてもらう必要があります。
未経験に強い転職エージェントが知りたい方は、以下の関連記事をチェックしてみてください。
30代が業界で働きたいときに知っておいてほしいポイント
最後に、30代の方に向けて、ゲーム業界で働くとはどういったことなのかを紹介していきます。
「自分の好きなものを作る」は難しい
30代未経験で入社した場合、「ぼくがかんがえたさいきょうのげーむ」をすぐに作ることはできません。
自分の考えたアイデアを形にしたり、実際に企画を通すためには各業務の経験を経て、チームリーダーとなり、企画職であればプランナーからディレクターやプロデューサーへと成長しなければいけません。
そして、ディレクターやプロデューサーになったからといって自分の好きなものを作れるとは限りません。
世の中が求めているコンテンツと自分が考えている面白いコンテンツは異なる場合が殆どですし、プロデューサーになったとしても1企業の会社員であることに変わりはない為、上層部の意向に従わなければいけないことも多いです。
(自分が作りたいものだけを作りたいと考えている人の中には、フリーランスでインディーズゲームを作る方もいます)
子どもの頃に思い描いていたような「ゲームクリエイター」という職業は存在しないという現実を受け入れて業界に入らなければ、ギャップに苦しむことになります。
まだまだブラック企業は多く、未経験の場合過酷な労働環境の可能性も。
ゲーム業界は元々ブラック企業が多く、それが問題視されて、改善されつつあるというのが現状です。
しかし、そういったホワイト企業化に向けた取組を実際に取り組めているのは一部の企業のみで、企業の中には未だに過酷な労働環境を強いられている企業もあります。
そういった企業は業界の中でも特に人手不足のため未経験でも入社しやすいというメリットこそあるものの、入ってみるとそこは過酷な環境…となってしまえば元も子もありません。
業界に入ってしまえばどの企業がブラック…といった噂はすぐに流れてくるようになります。
なので転職の際でもブラック企業への転職リスクを減らすことができるのですが、未経験の場合そういった情報を得られる場所もないため、企業選びは慎重に行うようにしてください。

【まとめ】30代でゲーム業界に転職するということ
ここまで色々と行って来ましたが、やはりゲーム業界で働くというのは楽しいし、なによりやりがいがあります。
自分が作ったものがリリースされて世の中にでたとき・エンドクレジットに自分の名前が載った時・Twitterで自分の担当した箇所を「面白い」と言ってくれている人をみた時の感動は、やはりなんとも言えないものがあります。
実際、ゲーム業界は私服で働けたり、勤務時間が自由であったり、職場でゲームを何食わぬ顔でできたりする他の業界とは一風変わった世界ですので、ゲーム好きな方が働いてみると楽しいことが沢山あるはずです。
ここまで読んでくださっている方はゲームが好きだからゲーム業界に入りたい、という強い気持ちがあるのだと思います。
是非、その気持ちを強く持ってゲーム業界への扉を叩いてみてください。