じぶんごと

僕がブラック企業で働き、医者から命を落とすと言われた話

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「このままだと、君は死んでしまうよ」

 

そう言われた時、僕は少し安心した。

 

(あぁ、これでやっと終わるんだなぁ)

 

そう思い、僕はその場に倒れた…ー

 

今回は、僕がブラック企業で働いた実体験をお話しできればと思います。

社会人になってから今日に至るまでを4記事に分けて掲載させていただきます。

 

1.ブラック企業に入る前、僕は地方の銀行員だった

 

僕は大学まで陸上競技をしていた。

天才では無かったけれど全国大会にも出場したし、全国にいるライバルたちと競いながら世界大会を目指す…そんな選手だった。

そんな僕が新卒入社したのは、地方銀行だ。(以下地銀)

就職活動は2の次だったので、とにかく決まった会社に入れればいいかな…ぐらいの考えだった。

 

そんな銀行では、同期に恵まれた。メガバンクほど大きくはないが、だからこそ繋がりを大切にできる…そんな暖かい場所だった。

銀行では、最初は徹底的にマニュアルを覚えて、そのあと各支店に配属されて実業務に入る。

大きい支店には優秀なヤツが配属される…そんなのはなんとなく分かっていた。

僕の場合は、1番大きいとまでは行かなかったが、大きい支店。

実際に支店に配属されてからは、正直あまり覚えていない。

支店の中で言われたことをマニュアル通りに淡々とこなしていく毎日。支店長が僕を優秀だと周りに自慢している…という噂をどこかで聞いていたが、そんなことはどうでもよかった。

 

[lnvoicel icon="https://apainidia.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0029-e1528805215689.jpg" name="だいすけ"]こんなところにいていいのだろうか?[/lnvoicel]

 

僕は毎日こればかりを考えていた。

昼休憩の時に食堂で付けっぱなしになっているTVでは東京の話題ばかり。

SNSでも話題になるのは東京の話。

それに、どうやら大学時代の友人は日本を飛び越えてオーストラリアで暮らしているらしい。

そんな話題が飛び交う毎日。

 

田舎で暮らす僕は、こんなSNSと現実の差に飽き飽きしていた。

 

しばらくして、仕事は個人向けの営業として支店の外に出るようになった。

主な仕事は、銀行の利用客に資産運用の提案をすること。

 

提案と言っても、心から良いと僕が思っていないので心が営業トークに力が入らない。

つまらない営業トークなんかより、お客さんと世間話をしている時間がたまらなく好きだった。

営業にやりがいを感じていなかった僕にとって、お客さんと過ごす緩やかな時間の流れは僕の安らぎだった。

 

「何分同じ家に居座ってるんだ!」

と、支店の誰かに怒られることも時々あったような気がする。

 

そんな時、突然。本当に突然、髄膜炎になった。そして入院した

どうやら風邪をこじらせたらしい。運が悪いねと医師には言われた。

髄膜炎とは脳を守る髄膜が炎症を起こしてしまう病気で、場合によっては後遺症で体が動かなくなるような、そんな病気。

僕は入院中40度近い高熱と、意識を失うような激しい頭痛に苦しむ日々を2週間過ごした。

けれど、ベッドの上で考えていた。僕は不運などではなく、むしろこれは現状を変えるいいチャンスなのだと。

[lnvoicel icon="https://apainidia.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0029-e1528805215689.jpg" name="だいすけ"](やっぱり東京で働きたいな…)[/lnvoicel]

 

そんなことを考えていた。

 

結局、僕は2ヶ月ほど髄膜炎の後遺症に悩まされた。ただ、薬を飲めば普通に生活はできたので僕は転職活動をすることにした。

 

どこまでも、働いて金を稼ぐことに執着した僕。

 

この時はまだ、フリーランスなんて自分とは関係のない話だと思っていたからだ。

 

 

2.上京して、ブラック企業に入った話

 

転職活動を始めた当時は23歳(途中で24になったが)

もともとゲームが好きだったからゲーム会社に行きたいなと思って転職サイトに登録した。

当時ゲーム業界は未経験で入るのが難しいと言われていて、さらに銀行員という”聞こえの良さ”が転職の枷になっていた。銀行時代に実績もないし、どうすればいいかわからずにとりあえず転職サイトに登録してエージェントと話すことになった。

エージェントが提案してきた会社は、ゲーム事業だけでなく広告事業やメディア事業を展開する超大手。

ブロガー御用達のア●ブロや、ame●aTVを運営する渋谷の会社だ。

 

[lnvoicel icon="https://apainidia.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0029-e1528805215689.jpg" name="だいすけ"]こんな大手、僕が受かるわけがない。時間の無駄ですよ[/lnvoicel]

 

そう伝えたが、この会社は第二新卒募集に力を入れていたらしく、エージェントは学生時代の体育会の経験があるから大丈夫と言っていた。

やるだけやりましょう。それでダメなら、次を考えましょう

 

時間の無駄だと思っていたけれど、内心ワクワクしていた。

なぜかって、もし内定すれば東京の、しかも大都会の渋谷で自分のやりたいことができるからだ。

今の生活とは180度違う生活ができるからだ。

 

そんな淡い期待を持って、僕はまだ髄膜炎の後遺症があるにも関わらず寝る間も惜しんで対策を練った。

事前提出を求められていた資料(新卒でいう、エントリーシート)を全力で作り上げた。

Unityというプログラミングソフトで簡単なゲームも作って提出したし、イラストも勿論描き起こした。

必死さを伝えるためには口だけではダメなのを陸上で学んでいたから、僕は必死になって形を残した

 

結果、僕はなんとかこの1社だけで就活を終えることができた。ゲーム事業部に配属になった。

住む部屋を決めて、単身上京して、東京で働くようになって僕は知った。

やりたいことを仕事にできる喜びや、東京で働くという優越感。

そして、この会社がブラック企業だということを。

3.ブラック企業の実態

ブラック企業と聞いて、あなたはどんなブラック企業を想像するだろうか?

 

理不尽な上司

使えないゴマをするだけの先輩

残業(多くて)100時間/月 残業代は出ない

土日も鳴り止まない着信とチャットの通知

 

僕が働いている会社は文字にするとこんな感じだ。

どうだろうか?我ながら酷いものだと思う。

 

でも、僕はそこまでブラックだと思わなかった。

全身が動かなくなるほど走るわけでもないし、吐くまでトレーニングをするわけでも、泣きながら飯を食う訳でもない。

むしろ自分のやりたい仕事ができて、渋谷で働いている…そんなステータスを自分に言い聞かせていると、不思議と辞めたくならない。むしろ、もっと頑張ろうと感じるようになってくる。

10年も0.01秒を争う世界に生きて、心は相当タフになっていた。

役に立たない先輩と、誰が仕事を教えても何もできない後輩。

後輩の仕事を引き受けながら本来3〜4人でやるべき業務を1人で行って余裕はなかったけど、それでも頑張ろうと思えた。ここで頑張ればきっと認められると思った。

 

でも、そうやって働いているとつぶれてしまった。

心も体も、つぶれてしまった。

4.体がおかしくなり始めた

まずは熱が出て、なにも食べられなくなった。

その次は、白目が黄色くなった。

その次は、全身に出る痒みで一睡もできなくなった。

そして、全身が黄土色になった。

 

調べると、どうやら黄疸という症状のようだった。肝臓が機能していないと、全身が黄色くなるらしい。

内科に行き、薬を処方してもらいながら検査をする毎日。

 

少しだけ、銀行時代が懐かしくなった。

優しい同期と、会社の人たち、そしてあたたかいお客さん。

もしもあの銀行にいればこんなことにはならなかったのだろうか。

体が悲鳴を上げていると、心もこんなふうに弱ってくる。

 

それでも僕は出社した。

会社では意識を保つだけで必死だったけれど、出社した。

そんな状態でも誰も仕事を代わってくれないけれど仕方がなかった。みんな自分のことで必死なのだ。

 

心配してくれる人もいたけれど、その人と僕は業務内容が違うので手伝ってもらうことができない。

ただただ、僕は潰れていった。

 

そして、通っていた病院ではもう見切れないと言われて大きな病院を紹介してもらった。

翌日に僕はその病院に向かった。

大きな病院だと待ち時間もバカにならず、待っている間の僕は半分ほど意識がなかった。

何となく呼ばれた気がして診察室に入ると、

 

すぐに入院してください

 

医師はそう言って、看護師と入院の手続きを始めていた。

 

感覚がおかしくなっていた僕は、

[lnvoicel icon="https://apainidia.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0029-e1528805215689.jpg" name="だいすけ"]あの、通院ではだめでしょうか[/lnvoicel]

 

と聞いた。

驚いた医師は、意識が朦朧としている僕にゆっくりと、小さな子どもに話しかけるようにゆっくりと口を開いた。

 

このままだと、君は死んでしまうよ

 

そう言った。このままだと死ぬ、そう聞かされて僕はやっと冷静になった。

 

(あぁ、これでやっと終わるんだなぁ)

 

この辛い日々が終わる…

 

そう思い、僕はその場に倒れた…ー

 

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